小児科

成人でもそうですが,特にこどもの場合は心の不調が身体症状として表れることがよくあります。

 

たとえば,朝学校に出るくらいの時間になるとお腹をこわすとか,最近食欲がなくなって体重が何キロも落ちたとか…。

 

心の問題か身体の問題かわからないときには,小児科から受診するほうが抵抗が少ないかもしれません。心の問題かもしれない…と親御さんが感じておられても,いきなりお子さんに精神科受診を勧めにくいときには「まずは身体をちゃんと診てもらおう」と小児科へ誘ってみる,ということもできそうです。

 

一般的には,小児科は15歳(中学3年生まで)のお子さんを診療対象としています。

なので,高校生のお子さんの場合には,まずは内科などということになるでしょうか。

 

身体の検査をしてみて,もしも異常所見がみつからなかったとしても,だからといって「仮病だろう」「身体のせいにして怠けている」とお子さんを責めたりとがめたりするようなかたちになるのはあまり好ましくないように思います。たとえ検査上は異常がなくても,自律神経の乱れなどから症状は本当に存在して,お子さんは苦しんでいるのですから…。

 

お母さんやお父さんから受診を勧められたことで,お子さんが「私は親から心配してもらっている」と感じてくれるようであればいいですね。

 

さて,小児科医のなかでも,特にこどもの心の問題にとても強い関心を持って診療に取り組んでいる先生もいらっしゃいます。たとえば日本小児科医会では平成10年度より「子どもの心相談医」の認定制度を開始していますが,残念ながら全国の認定医師を公開するかたちにはなっていないようです。

 

普段からかかりつけの小児科があればまずはそちらを受診して相談してみる,というのが普段の様子もわかってもらえていていちばんスムーズかもしれません。必要に応じて他の医師のところへ紹介していただけると思います。